ブルーベリーの基礎知識     

1.ブルーベリーはヨーロッパでは医薬品です。 ブルーベリー
2.世界で市販されているブルーベリー配合の医薬品
3.ブルーベリーが目を良くする仕組み
4.ブルーベリーのアントシアニン色素の効果研究例




1.ヨーロッパでは「医薬品」です。
日本では医薬品ではないブルーベリー加工品ですが、ブルーベリーの効果は世界で広く認められています。特にヨーロッパではいくつかの国で、またお隣の韓国でもブルーベリーは医薬品として認定され販売されています。これらの国々では、ブルーベリーの効果が科学的・医学的に確認され、しっかりと認知されているからです

また欧米では、ブルーベリーをはじめとする数多くの果実を、どのようにすれば食卓にあげることができるか、つまりどのように調理すれば美味しく、また栄養素を逃さずに医学的な効果のある成分を破壊せずに体内にとり込むことができるか、という研究が非常にすすんでいるのです。とくにフランスとイタリアでは、ブルーベリーを原料にした医薬品がたくさん発売されています。そのいくつかをここで紹介しておきましょう。次の表は、現在、世界各国で薬品として販売されているものです。ブルーベリーが薬品として販売されている事はもちろんですが、もう一つ注目していただきたいことがあります。それは、それぞれの薬の効果効能です。概していえば、視力のアップ、網膜へ与えるよい影響などが記述されていますが、血管を強くする効果もうたわれています。

2.世界で市販されているブルーベリー配合の医薬品

テジェンヌ

医療用医薬品として発売。カプセルや穎粒タイプのものは毛細血管の脆弱状態や胃潰瘍・十二指腸潰瘍に効果があるとしています。また軟膏タイプもあり、出血や皮膚の脆弱状態に効くとあります。

メモヴィスス

医療用医薬品として、カプセルやアンプルで発売しています。眼精疲労を伴う肉体的・精神的疲労に効果があるとされています。

プレミアム

医薬品として糖衣錠で発売。毛細血管の脆弱によいとされています。

アントシン

医療用医薬品として発売。糖衣錠。網膜周囲の変化=強い近視や夜の視力低下に効果があるとされています。

フォトレティン

医薬品として糖衣錠で発売。夜間視力の障害、網膜脈管障害に劾果があるとされています。

強力ディフラレル

医療用医薬品。糖衣錠。血管障害、網膜症、近視、夜盲症状に効果があるとされています。

3.ブルーベリーが目をよくする仕組みは?

ブルーベリー独特の深いブルーの色をだしているアントシアニン色素が、目にいい効果を持っているのです。アントシアニン色素は、ブルーベリーの皮にたくさん含まれています。また、改良種より野生種ブルーベリーのほうが約10倍のアントシアニン色素を含んでいることがわかっています。

それでは、ブルーベリーのアントシアニン色素は、どのように目にいいのか、目のどこによいのでしょうか。私たちは、網膜にある「ロドプシン」によって物を見ています。目の網膜=スクリーンに光の像が給ばれ、視神経が光の像の刺激を読みとります。網膜はかなり薄い膜ですが、それでも幾層かの膜が重なって形成されています。さらに、ミクロ単位で見てみるといかに薄い膜とはいえ、山あり谷あり突起物がたくさんあるのです。そしてその突きだした部分に、ロドプシンという色素が存在します。このロドプシンが「見える」ことに深く関わっているのです。ロドプシンは、光の刺激を受けると分解されてしまう性質をもっていますが、瞬時にもとのロドブシン色素に再合成されます。この分解と再合成の連続作用が脳(後頭葉の視領域)に伝わり、人間の視覚になる、つまり見えるということになるのです。ロドプシンの分解と再合成をいかに活発におこなっているか、いかに素早くおこなうことができるか、それが視力の一つの指針になるといえるのです。

ブルーベリーのアントシアニン色素には、このロドプシンの再合成を活性化させる働きがあるのです。なぜ、アントシアニン色素がロドプシンの再合成を助ける働きがあるのか、そのメカニズムはまだ解明されていません。しかし、事実としてアントシアニン色素を投与すると、ロドプシンの再合成が活発になるということはわかっています。

4.アントシアニン色素の効果研究例

1.フランス航空生理学医学会がおこなった実験・研究です。

◆実験の方法

☆実験に参加したのは、戦闘機パイロット20人。ヘリコプターパイロット20人。

★夜間、どれくらい形を認識する視力があるか、またあまり光のない環境で、どれくらい見えるか(これは主観的評価)を調査した。

具体的には、白色光で1分間目をくらませて、その後30分間放置。そして暗がり状態で75cm離れた物体の確認を夜間飛行前後で調査した。

☆試験をするためにブルーベリーのエキスを使用。100mgを夜間飛行の4時間前と1時問前にそれぞれ2錠、合計4錠服用する。被験者をふたつのグループに分け、一方にブルーベリーのエキス錠剤を4錠、もう一方にも同じように偽薬を4錠服用させた。偽薬とはなんの効果もない錠剤で、ある薬の効果があるかどうかを、薬を服用した人としない人でくらべるとき、服用しない人も条件を揃えるためにまったく効果のない、しかし形状は試験薬と同じ物を服用させます。これは人間の心理の中に、薬らしき物を服用するだけで、実際の成分とは関係なく、薬を飲んだ気になって効果があらわれてしまう、暗示効果(プラセボ効果)があるための措置です。

その結果、目の眩み、疲労、暗い場所での視覚、いずれの実験でもブルーベリーエキスを服用したほうがそれぞれにおいて改善が見られた。

これ以外にもブルーベリーの効果を確認するために、世界中でいろいろな実験がおこなわれてきました。どのような実験がおこなわれてどれだけの成果があがったのか、ブルーベリーがどれだけ目の機能アップに効果があることが証明されたのかをいくつか紹介しておきます。

2.1964年 Jayle & Anbert が37人を調査対象にして、臨床実験をおこなっています。

その結果、網膜の適応曲線の改善(網膜の光に対する反応がアップ)。薄あかりの中での視力が改善されることが確認されています。また、最大の変化は、投与のあと4時間であらわれ、24時間後には解消してしまうことも報告されています。

引き続き、1965年に色素性網膜炎の治療にブルーベリーエキスの投与をおこないました。その結果、かなりの改善が認められました。さらにこのとき、ブルーペリーエキスの投与によって、視野が拡大することが確認されています。つまりブルーベリーによつて、綱膜が活性化することが証明されたのです。

3.1968年 Zavariseは多数の夜盲症患者に、ブルーベリーエキスを3か月間投与。

研究と治療を実施しました。その結果、網膜の光感受性が改善していることを確認、これと同時に、副作用のないことも確認されています。

(興味があれば「日本アントシアニン研究会」の「文献」データベースもご覧ください。)

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