ノコギリヤシの基礎知識



ノコギリヤシ(学名:セレノア・レペンス)はヤシと名前がついていますがシュロの一種です。
ヤシのイメージからはほど遠い背の低い樹で、北アメリカ南部からメキシコかけて広く分布しています。
かってインディアンはこの果実をすりつぶしたものを強壮(精)剤として食用していましたが、
最近では高齢化の影響もあって前立腺炎、前立腺肥大に対する効果の方が注目をあびています。
男性の精巣内で作られる男性ホルモンの一種、テストステロンは血液をとうして前立腺に取り込まれます。
前立腺内のテストステロンは酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)に変化します。
両ホルモンの作用の違いを簡単にまとめてみました。
  テストステロン  ジヒドロテストステロン
 生殖器の増大  体毛とヒゲの増加
 精子形成  前頭禿の促進
 男性性欲増大  前立腺肥大
 筋肉増大 ニキビの増加


一目瞭然ですが、テストステロンは男性機能の強化を(インディアンは強壮(精)剤として使用)、
DHTはヒゲ、禿、そして前立腺肥大といわゆる加齢現象を引き起こします。
従って酵素(正確には5−α−還元酵素といいます)の働きを阻害すればテストステロン作用はプラスに、DHT作用はマイナスになっていくわけです。

ノコギリヤシ(の果実エキス)はまさにこの酵素の働きを弱めます。
作用の詳しいメカニズムは省きますが、ノコギリヤシ・エキスは5−α−還元酵素の働きを阻害して、
DHTの生成を抑制することによって前立腺の肥大をおさえ、排尿障害を改善するのです。
1892年に米国泌尿器学会に発表されて以来、数多くの研究発表がされ、
イタリア、フランス、ノルウェー、スウェーデンなどではすでに医薬品として認可されています。
第2期の患者さんを中心に2000人で行なった治験は特に有名で、患者の88%が良くなったと判断しております。
規模は小さいですが日本の例でも、平均で夜のトイレの回数が3.1回から1.7回へ、尿流速(ml/秒)は5.35から8.05へ、
残尿量(ml)94.7から55.1と大幅に改善されています。
患者の主観的評価でも改善されたと感じた人は68.0%と3人に2人は効果を認めています。
参考1:
研究論文1. G. CHAMPAULT論文(英語です。)
研究論文2. キューサイと静岡県立大学の研究

参考2:
前立腺肥大のステップ
1期 頻尿、尿意があるのになかなかでない。残尿50ml以下
2期 頻尿、尿意切迫。残尿50〜250ml
3期 高度の頻尿、尿流速の低下、残尿のため膀胱拡大。
4期 外科的手段が必要
1期、 2期の段階では加齢現象の一種で仕方が無いと考えがちで、前立腺肥大による症状だと考える人は少ない。
一般に50才代の約40%、60才代以上では70%が前立腺肥大によるとみられる症状があるといわれています。

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