「ミネラル」の基礎知識

1.ミネラルとは

2.ミネラルの役割

3.ミネラルの不足と過剰


1.ミネラルとは
 ミネラルはビタミンと同様にごく微量でからだの機能維持や調節に欠かすことのできない栄養素です。 ビタミンとの大きな違いは、ビタミンが元素から成る有機化合物であるのに対し、ミネラルは元素そのものであるということです。有機化合物とは、ビタミンCのように、炭素の骨組みに酸素や水素がつながったものをいいます。これに対しカルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、炭素などの骨格をもたずに元素そのもの、つまりひとりぼっちで既に『ミネラル』であるということです。(厳密には必ずしも元素の形で存在するとは限らず、ほかの有機化合物とくっついて存在するものもあります。)

元素はあらゆる物質の基本単位であり、私たちのからだもたくさんの種類の元素が組み合わせられてできています。その数は40種類以上にもなりますが、私たちのからだを元素にまでバラバラにしてみると、約95〜97%は炭素・水素・酸素・窒素の4元素から成り立っているといわれます。残りの約3〜5%の元素を総称してミネラルまたは無機質と呼んでいます。ミネラルは他の栄養素に比べ蔓が圧倒的に少ないですが、比較的多量に含まれている7種類は主要ミネラル、もっと少ないものは微量ミネラルと呼ばれています。現在わたしたちに必要な栄養素としてはっきりと分かっているものは、主要ミネラル7種類と微量ミネラル9種類の計16種類です。それぞれのミネラルの主な働きおよびミネラルを多く含む食品は末尾の一覧表を参考にしてください。

2.ミネラルの主な役割
ミネラルはそれぞれ、わたしたちの身体の中で様々な働きをしていますが、大きく分けると以下のようになります。

@身体の構成材料として働く(骨や歯など硬組織やその他の軟組織)
 力ルシウム・リン・鉄など

A生体機能の調節を行う(体液中にイオン*として存在し、浸透圧の調節や酸アルカリ平衡、筋収縮や神経の情報伝達に働く)

 カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・塩素・リンなど

 (*イオン…水溶液中などで、電気を帯びた性質のミネラルのこと)

Bたんばく質などと結合して働く(酵素の補助因子、ビタミンやホルモンの構成成分となる)
  
酵素……マグネシウム・マンガン・銅・亜鉛・鉄・セレンなど
  
ビタミンB12……コバルト 
  
甲状腺ホルモン……ヨウ素


.ミネラルの不足と過剰
ミネラルには、ビタミンやその他の栄養素と異なり、必要量と毒性が現れる量との幅が狭いという特徴があります。つまり、殆どのどタミンは所要量の10倍を摂取しても毒性を示すことはありませんが、ミネラルは所要量の数倍程度でわたしたちの身体に害を与えてしまうこともあるのです。反対に不足すると様々な欠乏症をきたします。ミネラルの欠乏症として、ヨウ素欠乏による甲状腺腫や鉄欠乏症による貧血がよく知られています。わたしたちは身体に明らかな異常を感じれば、鉄分やその他のミネラルを積極的に摂取しようと努力します。ところが、近年問題視されているのは不足レベルが黒い部分までには達していない灰色部分の潜在性欠乏症です。この場合、殆どが「なんとなく調子が悪い」程度にしか感じられないため、慢性的な欠乏となることが多く、糖尿病や心疾患などの生活習慣病のリスクを高める可能性があるともいわれています。

ミネラルの摂り方 不足と過剰の幅が狭く摂取が難しそうなミネラルですが、食事内容を改善して必要な量を摂る上では殆ど心配は要りません。また、先述の通り大量に摂取するものではありませんので、穀物や野菜の多い食事などにより必要量の摂取は可能と考えられています。 ただし、農作物のミネラル含有量の低【Fにより食事の工夫だけでは難しいことや、食生活の変化(加工食品によるナトリウム・リンの過剰摂取や高脂肪・高たんばく食による必要量の増加など)によるミネラル必要量が変化することもあるので、場合によってはサプリメントを活用するのも良いでしょう

ミネラルの主な働きと食品(一覧表)

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